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Vermilion -bind of blood- プレイ感想

北米の霧深き街『フォギィボトム』を舞台に繰り広げられる吸血鬼(ブラインド)たちの物語、だそうです。
ハードボイルド+ちょい戦闘あり+ちょい燃え+主人公の人生を中心とした群像劇といった感じの内容です。
メーカーはlight。

正直序盤は内容というか話がとっ散らかってる印象がありますが、そこを乗り越えれば好きな人は好きな作品と思われます。
ただキャラ自体のアクは強いので可愛い女の子が可愛く戦闘するとかそういうのを期待している人がいたらさっさと帰りましょう。
てかヒロインはレイプに近い状態になったのが2人もいるので、そういうのが一切受け付けない人はやめた方がいいです。
逆にアクの強い野郎共は活躍するので、そういうのが好きな人はお薦めです。
ていうかシナリオライターはヒロインよりもホモが好きなのが明白なので、ヒロインによっては本人のルートなのに大して活躍しない場合もあります。
エロゲにお薦めするポイントじゃないけどそういうメーカーなんだから仕方ありません。

この先ネタバレ注意!















プレイ中の感想はブログで書いたので、こっちは最終的な印象を。

まぁまぁ好きなキャラはいるし、熱い展開もある事はあるんですが、一部キャラに明らかにシナリオライターの相当な贔屓が入っています。
私はその辺が最後まで受け付けませんでしたね。
いや本来なら嫌いじゃないタイプのキャラなんですよ。
ただあまりに出張り過ぎです。どのルートでも。

ぶっちゃけるとアイザック、次点でバイロンです。
どのルートでもしつこく出てきてそれなりに出番と見せ場を貰ったうえ、グランドルートで主人公が過去に失った、運命を誓った女性と一緒の扱いで出て来るのがアイザック。(wikiとかだとネタにされてるようですが、私は正直うんざりでした)
最初こそ大物感出してるように見えますが、実態は親から子離れ出来ないのを拗らしてる姿をずっと晒しているのがバイロン。
出番が多いのはまだいいのですが、どのルートでも所詮やること一緒なので正直見飽きる、うんざりしてくる、というのが本音。好きな人はいいんでしょうが。
これが1ルートか2ルート位なら1キャラとして好感触で見てたでしょうが、それが全ルートとなればそりゃうんざりもします。
その分を少し他のキャラに回せ、といった感じです。
ていうかアイザックは多角的にものを見れるキャラでもあるんだよみたいにライターは書きたいのでしょうが、ぶっちゃけガキの頃に夢見たものが叶わない駄目な大人がいつまでもぎゃーぎゃー言ってるだけよね。
正直バイロン程ではないとしても、本質的に大して変わらない印象です。

なんか批判みたいになってるので逆に良い例はクラウス。
彼はアリヤルートでは大暴れし、ブラインドとなったアンヌを、ブラインドゆえに殺します。
逆にグランドルートではただの人間に戻ったアンヌの心に惹かれ、逆に助け、怪物の群れを前に最後まで戦い抜きます。
ルートによって対比する構造となっており、複数ルートの良いところを出してます。
そのうえで人間を守り、吸血鬼を殺すという彼の信念は一切ぶれてないのが良い。
それ以外のルートではあんまり印象もないですしね。良い案配です。

あとはブログでも書いてましたが、ゴドフリが好きですね。
理想の従者をずっと体現してくれた男で、無駄に出張って来ないのも好感触。
彼にCG1枚もないのはほんと一部贔屓が酷いなと思ってます。

モーガンも自分はシェリルが好きなのに、シェリルが好きなのは過去ばかり見てるトシロー。
その辺の葛藤とか、シェリルルートやグランドルートの告白とか、悪くはないんじゃないでしょうか。

伯爵もラスボスとしては良いキャラではあったかな。
戦ったのはアリヤルート、グランドルートだけですしね。
アンヌルートで出したのは早すぎたと思いますが。どうせ倒せないんだし。

ヒロインもちゃんと魅力はあったと思いますね。(後の一部の作品比較)
基本自分のルート以外では扱いは微妙ですが。シェリル位かな、そこそこマシなの。
てかアンヌに至っては本人のルートですら扱い悪いです。
アンヌとケイトリンが戦うとかでもなく、ケイトリンは暴走したバイロンとの戦いで死亡。
アンヌはその前にやられてて、最後にまぁとってつけたようなエッチシーンの後にトシローと分かれて、時間飛んで老婆になって云々で終了。
老婆のシーンはまぁまぁ好きですが、経過が適当なのでまぁなんともって感じですかね。
というかニナルート、アリヤルートの、家族を失ったシーンは何のために入れたの?多分ライターが曇らせたいだけで別に何にも繋がってなかったよねあのシーン。
アリヤルートはまだクラウスとのシーンを書きたかったとしても、ニナルートは本当に無意味。
結局、彼女が輝くのはグランドルートの1シーンだけという。

ヒロインでもニナは正直微妙かな。
というか統治者未熟ヒロインとしてずっと書いてて急に覚醒してって感じで、しかもその後も伯爵の事であやふやになったし、何をさせたいんだか。
微妙というかライターが書けてないという感じがしてましたね正直。

シェリルとアリヤは良かったです。
シェリルはトシローとの葛藤とか、自分の想いを伝えるために歌を使ったりと、ちゃんとキャラとして書いてた印象。
アリヤは言われてたほどヤンデレでもなかったのが本音ですが、ホワイトパイルとしての覚醒、トシローへの歪んだ想い、伯爵と対峙した後のトシローとの共闘。ラストの背中合わせCGなど好きな要素は多いですね。
そりゃ全ルートでこのヤンデレやられてたら鬱陶しいですが、まぁ本人ルートだけですからね。本人のルートなんだからこれ位やるのが筋というものです。

とまぁライターが得意なキャラ、苦手なキャラが顕著ではあった作品ではありますね。
このメーカーの悪いところで、ヒロインより男キャラの方が人気なのをネタにしてますが1ミリも誉められた事ではないです。
単に魅力的なヒロイン書けないって言ってるだけだし。
良い作品作るんだからその手の言い訳は止めて欲しいです。自虐にしか聞こえない。

なんか総括で批判みたいになってますがlight作品自体は好きですよ。
ただ贔屓が酷いとこう感じるんだなーと思ったことをそのまま書いたらこうなりました。
燃えたシーンはあるけど、でもそんなにはないよねというのも本音なので、これが個人的評価といえば評価ですね。
このライターの処女作なので仕方ないといえば仕方ないかもですが、市販で出てる以上、これ位は書いてもいいでしょう。